「スピ好き高学歴ダメ人間」が精神障害者を止めて前向きに生きる話

人生終盤ですが、希望を持って進んでいきます♪

寝ていたら男の声がした

1997年のある夜、ちゃんとベッドに入って寝る前に、服を着たままベッドの上でうたた寝をしていました。右側を下にしていたのですが、上側、つまり左側の脳内に突然クラシック系の、テンポがものすごく速い音楽が聞こえてきました。わたしは「うるさいな、人が寝てんのに」とイラっとして、隣の家のテレビの音が聞こえていると思いました。しかし実際には、集合住宅の隣の家と、寝ていた部屋の間にはもう一部屋あったので、真夏に両家の窓が全開で、大音量、という状況でなければ音は聞こえてこない状況でした。

するとすぐに、今度は下側、つまり右側の脳内に男の声が聞こえてきました。

 

「じ・・・じ・・・自意識の消滅・・・」

 

エコーがかかっていて、最後の「消滅」は「消失」「喪失」かな、という感じがしましたが、たぶん「消滅」だろう、という感じでした。

わたしは、「え?なに?消えちゃうの?」と不安な気持ちになりましたが、同時に「これってひょっとして超常現象ってやつ?だったらもっと気持ちよくやってよね(怒)」とこれまたイラっとしました。

 

そしてすぐに目が覚め、「なんじゃ今のは???」となったのですが、声を聴いてイラっとしていた時と、目が覚めたときの意識の状態とは違っていました。また、夢の中で会話したり、相手がこう言った、という記憶は、目覚めて思い出してもぼんやりしている感じなのですが、あの音楽と声を聴いたときの意識はクリアで、夢とも違っていました。

 

当時すでにスピ好きでしたが、まだ「悟り系」の情報(瞑想の達人とか真理の探究者とかは別として、普通の人が覚醒体験しました、という類)は出てきていない時代で、わたしはその言葉の意味がわからず、「自意識?自我とかエゴとかでなくて?自分を意識することがなくなる?」と首を傾げていました。

 

それから1週間後くらいに大型書店に行ったとき、精神世界のコーナーをふらっと見ていると、平積みになっているある本に目が留まりました。

 

『2013:人類が神を見る日』

 

タイトルを見て、「エグっ。どうせ新興宗教でしょ」と即スルー。その後他のコーナーを見て、最後にもう一度戻ってきたとき、またその本に目が吸い付いてしまい、「んー、ちょっと見てみるか」と手に取り、パッと開けたところに物理の公式が書いてあり、タイトルとのギャップに面喰いました。一応数学科出身なので数式アレルギーはなく(ただ理科は昔から苦手で、地頭もよくないので、内容が理解できないだろうと思ったのですが)、興味が出てきたので最初の部分を立ち読みし、これがチャネリング本だということがわかって購入しました。

 

家に帰って読み進めて行ったのですが、それまでのバシャールなどのチャネリング本とは異質な展開にワクワクするも、内容が難解で、わからないところは飛ばして読んでいました。

するとこんな対話が出てきたんです。

 

「では、あなたがたが人間の意識進化と呼ぶもののイメージについて、ごく単純な言い方で結構ですから、分かりやすく説明していただけませんか」

一瞬、静寂が走ったが、オコツトの答えはすぐに返ってきた。

「自我の消滅です」

 

おおっ!これや、これや!(東京出身、関東育ちですが、たまに独り言が関西弁になることがある)と思わず身を乗り出しました。

厳密に言えば「自意識」と「自我」の違いはあれど、同じようなものじゃん、と俄然この本の情報が自分にとってリアルなものとなったのでした。

(つづく)